Smirhythm

2008年3月17日(月)TFM「BIBLE」にてオンエア
 
坂上:今日のBIBLEです。特別な音楽の才能を持つウィリアムズ症候群をご存知でしょうか?アメリカから初来日したドラムの名手Ben Monkaba君と日本の子供たちとの交流のひと時をお送りします。
BEN:♪歌声
子供:このようにBEN君は歌がうまいんです。BEN君のように好きな歌とかを思い出せば元気になるんです。こうやってみ~んなで合わせたりすると、みんなで一緒に遊べるんです。
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子供:こんにちは、11才です。16才です。ドラムの得意な曲はね、KISSっていうね、     あれ好きです。ドラムがね、♪ダーッダダッツダラーダダダ~♪ってやつあるでしょう。かんたんだぜ!
子供:楽器はやっていません。一番得意なのは詩吟っていうやつがあるんですけど、
   ♪少年~おいやすく~・・・・♪
医者:一般にわれわれが人生や芸術をどう楽しむかは、環境や遺伝子など様々な要因の影響を受けると考えられているんですよ。我々はみんな2万個の遺伝子をペアで持っているんですが、その2万個の遺伝子のペアのうち、7番染色体という部分のそのうちの10個ほどの遺伝子がペアでない時にウィリアムズ症候群という体質になると考えられています。
 
<BIBLE~TM>
 
坂上:詩吟まで飛び出してきましたけれど、エンタマックスBIBLE、今日は柴田幸子さんです。
柴田:よろしくお願いいたします。冒頭にもありましたが、ウィリアムズ症候群、先ほどお話を伺った慶応大学医学部小児科准教授の小崎健次郎先生のお話にもありましたように、今日本では、1万人から2万人に一人と推測されています偶発性の遺伝子疾患といわれています。1961年にニュージーランドのウィリアムズ博士によって報告され、そこから名前がとられているわけなんですが、このウィリアムズの子供たち、彼らはですね、みんな優れた音感を持っていたりですとか、音楽に対する何か特別な才能を持っているということで知られているんですね。でも、ものすごくフレンドリーでユーモアにあふれているというのが特徴があるんです。
坂上:ちょっと話を聞いただけで、「わ~~っ」て答えてくれていましたもんね。
柴田:たとえば、聞いた音をそのまま再現できたりですとか、たとえばおもちゃも、音のあるおもちゃばっかり赤ちゃんの時に選んだりとか。とにかくスピーカーに興味を示して寄って行って離れないですとか、音に対する何らかの興味というのをみんなが持っているという子供たちといわれているんですね。そんな中ですね、今月2月末から3月にかけまして、ウィリアムズの仲間でもあるみんなのヒーロー的な存在でもありますBenjamine Monkaba君がはるばるアメリカから来日しました。BENくんは、22歳なんですが、彼はこのウィリアムズの人たちが持つ才能を見事に開花させまして、ドラマーとしてアメリカの様々な場所で活躍しているんですね。
今回の来日の目的の一つは、ウィリアムズの子供たちと音楽を通して交流することだったんですが、ウィリアムズの子供たちにとって最高のプレゼントとなりました。
 
<M:Heart to Heart / Ben with Dragon Fish blow & Seto Fumihiro >
 
柴田:お聞き頂いているのは、アメリカでウィリアムズの子供たちが一緒に作った曲、
   「Heart to Heart」という曲で、ドラムと歌はBEN君が担当しているんですね。
坂上:しっかりと刻まれたドラムですよね。
柴田:そうなんですよ。先日TOKYO FMのスタジオでセッションされたんですけど、その様子を今 お届けしているんですが、ほんとBEN君はHappyを絵にかいたような存在なんですよね。私、数日一緒にいて、笑顔以外見たことがないという感じなんですよ。始めて顔を合わせた私にもどんどん話しかけてきて、もちろん英語もうまく通じないんですけれど、気にしてないって感じで。
坂上:セサミストリートのビッグバードみたいな感じですね。似てますね。
柴田:でもね、その笑顔がみんなに伝染していくっていうかね、人をハッピーにさせようとする願望がものすごく強いということでね、ウィリアムズの子供たちによくある傾向として、心臓病というのがあるんですが、BENくんも子供のころから4度の心臓手術を繰り返しているんです。
坂上:4度というのは相当な回数ですよね。
柴田:なのに、今こうして元気にドラムをたたいているという、奇跡の子というふうにいわれているそうなんです。もうひとつ、驚きなのが、Ben君の歩行とか運動能力の発達に一役かったのもドラムや音楽なんですって。なかなかうまく歩けなかったときに音楽を聞かせてうまく歩けるようになったとか。
坂上:音楽的能力が高い、それによってまたさらに自分が強くなれるというか。
柴田:まさに音楽の力で生きていると言えると思うんですが、そんなBEN君を支えているアメリカのWilliams Syndrome Association(WSA)のディレクターを務めていらっしゃるお母様のテリーさんにお話を伺いました。
テリーさん(翻訳):Music has been helping Ben all his life.  When he was an infant, it helped him during all his surgeries.  As when he became a toddler, it helped him to learn to walk.  When he got to school, it helped him to learn many many facts.  As he got a little bit older and learned how to play musical instruments, it became a great equalizer for Ben and his peers.  It was one area where he was as strong as his peers were.  And the fact that he was better than they were in some aspects, since then, it’s become the vehicle for him to socialize out of community to perform which he loves for his friends and for others for the public.  So it’s everything to Ben.
(音楽は常にベンの人生の力になってきました。幼児期には病院での手術中のベンを助けてきましたし、よちよち歩くころには、歩き方を覚える助けにもなりました。学校へ通うようになると、いろいろなことを覚える上で力になりました。少し成長すると、楽器の演奏方法を覚えました。それがベンと同級生たちとの差を埋める大きな役割になりました。音楽という範囲で同級生たちと同じ力を持てたのです。同級生よりも上手に楽器演奏ができるとわかると、それ以来、友だちのため、それ以外の人たちのために自分が大好きな演奏をすることで、コミュニティへと社会進出をする「乗り物」になりました。だから、音楽はベンにとってのすべてなのです。)
 
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声: 次のチャレンジャー、
子供:「は~い!「星に願いを」をやります。
<Music> ♪星に願いを~♪
柴田:さあ、そしてBEN君の来日の一番のハイライトは、3月2日に行われました「One Night Jam with Ben」。ステージにたったのは、主役のBEN君、そして今回の趣旨に賛同した一緒にセッションして下さったのは日本のバンドDragon Fish Blowのみなさん、そしてSAXプレヤーの瀬戸郁寛さんなんです。先ほどお聞き頂いたオリジナルのHeart to Heartや、それからBEN君の大好きなビーチボーイズのナンバーなどを次々と演奏しまして、その演奏に合わせながら、子供たちは次々に笑顔で思い思いに踊る楽しいひと時を過ごしたんです。そのセッションの後に、今度は音楽好きなウィリアムズの子供たちが好きな楽器で好きな曲を演奏数するという即興のチャレンジタイムがあってここでの模様でした。
今、流れていますこの曲は、ウィリアムズの女の子がバンドと一緒に演奏している「星に願いを」です。
 
<BENと子供たちの声>
 
池田:Dragon Fish Blowのボーカルの池田です。本当に僕らの方が久ぶりに楽しく音楽をやることを教えてもらったといってもいい位に 純粋に、本当にあの子たちの音楽やっているときの顔とか、向かい合っている姿勢を見ると、そんなに純粋に向き合っていたのはいつぐらいだったかなと思いました。はじめてベンくんと合わせたんだけど、みんなで目を見ながら合わせていった、その内からくる楽しさみたいなものを感じましたね。今日は。
根津先生:まっキーワードとしては、音楽とつながっているんですけれども、音楽の中でみんながつながっているというか、文献とか、研究論文とかを読みますと、音楽的能力が高いと書かれていたりとか、絶対音感がある子が多いとか、いろいろな情報がありますが、それ以上に彼らが音楽を愛し続けるというシンワ性という呼び方をしているのでけれども、音楽と親しくなる力というのがあるなと思います。それは、彼らの力かなという風に今回、BEN君とみんなの関係をみていて改めて思いました。
たとえば、「星に願いを」弾いたあの女の子は、いつもと違う場面で、すごく緊張していて、戸惑っているんだけれども、キーボードの方がそっとコードを弾き始めて下さって、そうしたらいろんな方たちが楽器で入って下さって、本当にピアノの単音のシンプルなものにいろんな背景が入ってきて、それによって彼女は支えられて、 何度かくじけそうになったんですけれども、最後まで弾き通して、終わった時には、緊張のあまりと、ほっとした気持ちで涙があふれてきたという場面がありました。彼女が、女の子が演奏している時に、仲の良い女の子が一番前でお祈りしていて、無事に終わるようにとお祈りしていたりとか、小さい子供たちが来て、頭をなでてくれたりとか、抱きあったりとかいうので、彼女自身はそういう仲間がいるってことですごくいい体験をして、自信になるんじゃないかなと思います。感じたのは、やっぱり本来セッションとか音楽というのは、そういう療法的な意味があるんじゃないかなという風に思っていて、みんながひとつになるっていうのがあって、これが本当の音楽が鳴っている場のあり方なんじゃないかなと思っています。
 
<M:Keep on the sunny side of life / Ben with Dragon Fish blow & Seto Fumihiro >
 
坂上:先生も語っていらしたみたいに、非常に聞いているだけでピュアな気持ちになる、共有できるというか、そんな心洗われる感じがとてもしましたね。
柴田:そうなんですよ。BEN君が1曲終わるごとに「イエ~イ!」という感じで、まわりにいるみんなもそれにつられてハッピーになるんですよね。
坂上:すごくハッピーオーラが大きい人なんでしょうね。
柴田:最後お聞き頂いたのは、今回、BEN君の来日の火付け役となった三重大学教育学部の根津知佳子先生のお話だったんですが、根津先生のお話の中にもあったように、ウィリアムズの子供たちっていうのは、単に音への才能があるだけではなくて、音楽と一緒になったり、音楽の中で相手と響き合ってつながっているなというのを、本当に私は、はたからみていた感じなんですけれども、ものすごく感じました。みんなが音楽の中でつながっている、不思議な感覚っていうのが、ある意味うらやましいなと思いました。
坂上:一人一人が音楽にまたつながっている感じがね。一人の中でさっきもあったように、音楽で回っている感じがあったじゃないですか。音楽に才能がある、そしてその音楽に助けられる、才能がある、助けられる、回っている感じと、またつながっている感じと。
柴田: 縦につながっているという感じじゃなくて、横でみんながつながっている感じがしましたね。今回もこのベン君を囲んで、ウィリアムズの子供たち、家族が本当に一つになった瞬間だったなと思いました。こういう音楽を楽しむ人の姿だったりとか、先ほど坂上さんがおっしゃったように、みんながまわりをもりあげて、あったかい気持ちになったりとか、なんか自分が忘れていたものを取り戻せたような不思議な、でもとっても幸せなあったかい気持ちになってこの日は家に帰ったんですけれども。
坂上:なんか歌いたくなったり、音楽をしたくなったりしたんじゃないですか?
柴田:そうですね、もう一度 音楽を、自分の体でいろいろな思いで楽しんでみたいなという風に思いました。
坂上:何か楽器ができるんでしたっけ?
柴田:ピアノをちょこっと。
坂上:では最後に柴田さんあなたが感じた今日のバイブルは?
BEN:I think it’s very hard to live in that kind of way and I’m very glad to have my special friend and I am glad to have the drums. It’s really good.(友だちもドラムもない人生なんて僕には大変なことだよ。大切な友達がいて幸せだし、ドラムがあって幸せなんだ。それが本当にいいことなんだ。)